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自分の地域の”昔話”を探してみる 田子町編【化けきつねの話】

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jinbee-essays-in-idleness.hatenablog.com

 

 今回のお話は、「めどち☆こくれしょん」の語り部ブースにて、子供たちに語った話となります。その時は、子供向けとして、時間を考えて割愛した部分がありました。

 この投稿記事においては、体験した方の気持ちや心情も入れつつ、詳細に書かせて頂きます。

※どちらかというと、怪談に近い話となります。少し怖いです。 

 

【化けきつねの話】

 今から50年ほど前の出来事。

 町の街灯は、今よりも暗く、夜の道は寂しかった。

 今では、どの家庭にもあるテレビでさえ、高級品の時代。

 家族でラジオを聞くのが日課だった頃のお話。

 

 田子町に住むAくん。小学5年生。

 農業を営む父と母、しきたりや風習を大切にする祖父母。

 妹はまだ幼く、いつもAくんが面倒をみていた。

 

 山には木々が茂り、子供たちはそこで走り回って遊んでいた。

 ただ、山からの帰りが遅くなると…

 祖母からいつもきつく注意を受けた。

「山には”きつね”がいる。帰りが遅いとイタズラされるよ!」

 

 Aくんは、祖母のそんな言いつけをいつも疎ましく感じていた。

 山の中で”きつね”と出会っても、何もせずただこちらを見ているだけ。

 山は自分たちの遊び場だ。イタズラされても、何も怖くない。

「キツネが人を化かす?、そんなことあるわけない」

 

 祖父も山に入る際には、「キツネに気をつけろ」と言った。

「あいつらは、完全に化けれない。得たいの知れない声を聞いたら、すぐに山を降りるんだ。それが化かされないコツだな」

 

 ある秋のことだった。

 今日は父も母も祖父も米の収穫の準備のため、帰りが遅くなる。

 近所の人たちも、みんな出払ってしまうらしい。

 いつもなら、一緒にご飯を食べる父と母は今日はいない。

 

 Aくんは、家に帰ってくると、薪の準備を始めた。

 家の裏山をふと見てみると、夕暮れの中、山がざわめいているような気がした。

 

 夕食となり、妹と祖母との3人ご飯を食べた。

 幼い妹が「ばっちゃ、かっちゃはいつ帰ってくるの?」と。

 「さぁね、今日はみんな遅くなる。もしかしたら、夕飯を入れた”重箱”を取りに来るかもしれないけれどね。遅くなるから、今日は早く練るんだよ」

 

 Aくんは、父・母・祖父、そして、近所の大人もいない、いつもと違う夜をなんだか不安に感じた。胸騒ぎがするが…なにも起こらないだろう。

 祖母はAくんに「早めに寝床に入りなさい」と言った。

 いつもは祖父の聞いているラジオをこっそりいじってみようと思ったが、それが出来なくて少し期待はずれだった。

 

 布団に入り、目を閉じる。

 窓の方から、外の虫たちの声が聞こえ、居間の時計の針の音も聞こえてくるようだった。

 

 妹も祖母も、1階の祖母の部屋で寝てしまった。

 2階には、今日はAくん一人だけ。

 眠ろうとしたが、なんだけ寝つけない。

 

 そんな時、家の外から足音が聞こえた。

 ざっ、ざっ、ざっ・・・・

 だれか、来たのか?母だろうか?

 

 夕飯が入った重箱を取りにきたのかもしれない。

 足音は、玄関付近まで行ったと思うと、そこからは何も音は聞こえなかった。

 

 勘違いだろうか?

 母親なら、家の中に入ってくるだろう。

 泥棒だろうか?

 

 すると…

「重箱を取りにきたすけ、開けてけろじゃあ」

 玄関から大きな声で母の声が聞こえた。

 

 はやり母だった。

 家に入ってくればいいのに…

 わざわざ、夜に大声で呼ぶなんて…

 

「重箱を取りにきたすけ、開けてけろじ▲☆※!」

 もう一度、声がする。

 んっ、母の声だが、なんだかおかしい。

 聞き慣れた声のはずなのに…別人のように感じる。

 

 声はするが、玄関には入って来ず、家の中にしばし沈黙が流れていた。

 玄関に行ってみるべきか?でも、怖い…

 胸がドキドキして、どうしようか躊躇っていた。

 

「重箱を取りにきたす※◆・・・、開けてけろじ▲☆※・・・!」

 

 ガラガラっ!祖母が自分の部屋から出て行く音が聞こえた。

 どすどすっ!玄関に向かっていく。

 どるどるっ、バン!!!!祖母が玄関を開けて、外へ出て行った。

 

 今の声はなんだったのだろう?

 祖母が行ったから、大丈夫だろう。

 Aくんは安堵して、眠りに落ちていった。

 

 朝になり、朝食を食べに居間に行ってみると、

 父も母も祖父も、いつものように食卓についていた。

 「昨日の声は?もしかしたら、夢だったのかもしれない」

 Aくんは、昨日感じた不安を思い出したが、勘違いだったような気がして、途端に恥ずかしくなった。大人がいなかったから、少し寂しかったかもしれない。

 

 朝食を食べていると、妹が母に向かって、

「かっちゃ、昨日、重箱取りにきたの?」。

「いや、昨日は家に来なかったよ。朝に戻ってきたんだ」

 と母は言った。

 

 Aくんは驚き、思わず祖母の方を見た。

「ばっちゃ!ばっちゃ!昨日の声は…??????」

「あぁ、あれね、あれは”きつね”の仕業だよ。玄関から出たら、こっちを見て、尻尾を降っていたよ。”重箱”に入った飯を食べたかったみたいだね」

 祖母は笑いながら、そう答えた。

 

 それからは、Aくんも山に入る時は、遅くならないように家に帰ってくるようになった。

 

 「あの時の声は、忘れられないなぁ。玄関に行ったら、化かされていたのかもな」

そう50年後のAくんは、筆者に語った。

 

考察

 聞いた話の中で、一番生々しい実体験がこちらの話です。少し背筋が寒くなった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

 この話はAくんとその妹さんから聞いた話となります。

 ”家にには招き入れた者しか入ることが出来ない”。怪談話や妖怪の話ではよくあることだと思います。このお家にも伝統的に神棚があって、そこに神様を祀っているということでした。

 きつねもそういった守り神には、勝てないようで、玄関から声色を真似て呼ぶことしか出来なかったようですね。

 

 おそろく、こういった体験談は、田子町の方に話を聞くと、同じような話を見つけることが出来るのでは?と思っています。ただ、この体験が”特別なこと”ではなくて、戒めとしてや地域のルールとして、根付いていることが面白いことだと感じますね。

 

 隣り合う世界は、現代の常識が通用しない世界かもしれません。

 その住人たちが、あなたのご飯を狙っているかもしれませんよ(・∀・)

 

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もののけキャラクター 総集編

http://jinbee-essays-in-idleness.hatenablog.com/entry/medokore.mononoke

 

○自分の地域の”昔話”を探してみる 田子町編 リンク先(2016年7月11日現在)

jinbee-essays-in-idleness.hatenablog.com

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